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純米吟醸?大吟醸?女将が教える、今さら聞けない日本酒の選び方
この記事は
- 日本酒の選び方がよくわからない
- 自分の好みの日本酒を探したい
- シチュエーションに合う日本酒を探している
そんな方に向けて書いています。
私たちの蔵のある山口県周南市は、瀬戸内の穏やかな気候と清らかな水に恵まれ、日本酒造りに理想的な環境です。
最近、お客様から「純米吟醸と大吟醸って何が違うの?」「生酛ってどう違うの?」といった質問をよくいただきます。
この蔵に嫁いでから、私自身も一から日本酒について学んでまいりました。
今日は、その経験も踏まえながら、”日本酒の選び方”をやさしく解説させていただきます。
そして、私たち中島屋のお酒がどのように生まれ、どんな味わいを楽しんでいただけるのかもご紹介いたします。
日本酒の基本「精米歩合」とは?
「純米」「吟醸」「大吟醸」という言葉、最初は私も戸惑いました。実はその違いのひとつは「お米の磨き方」なんです。
お米の外側にはタンパク質や脂質などが含まれており、これを削ることで雑味が減り、より澄んだ香りや味わいが引き出されます。
この削り方を「精米歩合」と呼び、例えば「精米歩合50%」なら、お米を半分まで磨いたという意味です。

- 純米酒:お米・米麹・水のみで造られた日本酒。お米の甘味と旨みがしっかり感じられます。
- 吟醸酒:精米歩合60%以下。低温発酵によって華やかな香りと軽やかな口当たりが生まれます。
- 大吟醸酒:精米歩合50%以下。さらに繊細で、フルーティな香りと透明感のある味わいが特徴です。
このように、磨くほど雑味が減り、香りが際立ちます。ただ、あえてあまり磨かずに”米の力”を残すこともひとつの個性。
どれが良いというより、お酒をどんな場面で、どう味わいたいかで選ぶと楽しみが広がります。
「純米」「吟醸」「大吟醸」どれを選べばいい?
例えば、こんな選び方はいかがでしょうか。
食事に寄り添う日常酒を探しているなら、「純米」や「特別純米」
米の旨みと酸味のバランスが良く、ぬる燗から冷酒まで自在に楽しめます。毎日の食卓に寄り添ってくれる一本です。
香りを楽しむ華やかな一杯を求めるなら、「純米吟醸」
果実のような香りが特長で、特別な食事の時間やプレゼントにぴったり。女性にも人気があります。
贈答や記念日にふさわしい最高峰を選ぶなら、「純米大吟醸」
上品な香りと澄んだ味わいが調和し、まるでワインのように香りを楽しめます。お祝いの席におすすめです。
どれも同じ「日本酒」ですが、それぞれの性格や表情が違うのが面白いところだと、女将として日々実感しています。
中島屋が大切にする「生酛造り」とは
中島屋酒造場が最も大切にしているのが「生酛造り(きもとづくり)」です。
これは、酵母を自然に増やす伝統的な酒母造りの方法で、速醸酛が主流になった現在では希少な造り方です。
嫁いだ当初、主人や蔵人たちがこの製法にこだわる理由がよくわかりませんでした。でも、蔵の仕事を手伝い、実際に飲み比べるうちに、その奥深さを知りました。
生酛は手間と時間がかかりますが、発酵中の自然の力をじっくり引き出すことで、しっかりとした酸味と奥深い旨みが生まれます。
「カネナカ 生酛純米」や「カネナカ 生酛純米 超辛口」はまさにその代表。
熟成によって生まれる深みと、酸と旨みが織りなす立体的な味わいは、料理との相性も抜群です。
お燗でも冷やでも、温度によって表情を変えるのが魅力だと感じています。
蔵の代表銘柄をご紹介
中島屋では、味わいのタイプや造り方に合わせて3つのシリーズを展開しています。
女将として、それぞれの個性をご紹介させていただきます。
1.【カネナカ】生酛造りの深みを味わう
「カネナカ 生酛純米」
熟成から生まれる豊かな香りと酸味。生酛ならではの力強さが楽しめます。IWC受賞の看板銘柄です。
「カネナカ 生酛純米 超辛口」
蔵一番の辛口。キレの中にうま味がしっかり残る一本です。辛口好きの方におすすめ。
2.【中島屋】華やかで上品な香りの定番
「中島屋 純米大吟醸」
柔らかな口当たりとほのかな甘みが特長。食前酒にもおすすめです。
「中島屋 純米吟醸」
フルーティな香りとまろやかな旨み。現代的な味わいで、日本酒初心者の方にも親しんでいただきやすい一本です。
「中島屋 純米無濾過生原酒」
搾りたての香りと旨味をそのまま瓶詰め。力強い生酒の魅力が際立ちます。
3.【寿(ことぶき)】誰もがほっとする定番の味
「寿 特別純米」
飲むたびに心が落ち着く、素朴で飽きのこない味わい。
「寿 純米吟醸 西都の雫」
山口県生まれの酒米「西都の雫」を使用。軽やかで華やかな香りが広がります。
「寿 純米大吟醸(箱付き)」
贈答用に選ばれることも多い、蔵の最高峰。晴れの日の一本としておすすめです。
飲み比べで、自分の「好き」を見つけましょう
日本酒の魅力は、それぞれの造りに個性があり、実際に飲むたびに発見があることです。
最初は「香りの華やかさ」「キレ」「うま味」といったシンプルな基準で飲み比べてみるのが楽しいと思います。
- 香り重視派 → 純米大吟醸・純米吟醸
- 味わい重視派 → 純米・生酛造り系
- 食事との相性派 → 特別純米・超辛口
そして、季節や温度で味わいが変化するのも日本酒の奥深いところ。
冷やで爽やかに、燗でまろやかに――同じお酒でもまるで別人のように表情を変えます。
これは女将として、日々の晩酌で実感していることです。
「記憶に残る酒」を造り続けるために
私たち中島屋酒造場は、「一麹、二酛、三造り」という言葉を大切にしています。
麹づくり・酒母づくり・醪づくり――この三つの工程の積み重ねが、一滴の酒に命を吹き込みます。
伝統を大切にしながらも、現代の食卓に合う新しい味わいへの挑戦を続けています。
お客様からの声やご要望をもとに、地元の素材や製法を磨き上げ、「記憶に残る酒」「また飲みたい酒」を目指しています。
主人や蔵人たちの真摯な姿勢を、女将として誇りに思っています。
最後に
「純米吟醸?」「大吟醸?」と聞くだけで難しく感じていた方も、少し日本酒との距離が近づいたのではないでしょうか。
どのお酒にも、職人の技と時間、そして土地の恵みが詰まっています。
ぜひ中島屋のオンラインショップで、あなたのお気に入りの一本を見つけてください。次の一杯が、きっとあなたの日本酒との新しい出会いになります。
中島屋酒造場 女将







